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大正新版画「川瀬巴水」の雪景色がとっても素敵だ!

大正新版画をご存知ですか


ちょっと前、とっても気になる絵をみつけました。

それは2017年の元日の新聞に入っていた立川高島屋の広告チラシにあったものです。

その絵というのが下の「芝増上寺」。

芝増上寺(1925)雪の中を急ぎ足でいく女性と増上寺の門の朱がステキなのですが、とくにこの構図がとても気に入りました。

作者は川瀬巴水かわせはすい(1883ー1957)。

この人の名を私はまるっきり知りませんでした。

大正から昭和にかけて活躍した版画絵師です。

立川高島屋で『川瀬巴水展』(2017年1月2日~16日)が開催されていたので行ってきました。

たくさんの作品が並んでいたのですが見ているうちに川瀬巴水が書く雪の絵が気に入ったので、ネットのフリー画像から借用して紹介します。

「厳島之雪」(1932)

どうです?

この人の描く雪景色って大雪の景色が多いみたいなのです。

うっすら雪化粧ではなくて、ザンザン降る雪の様子です。

雪の増上寺(1929)

増上寺の雪の様子は、東京で何年かに一度の大雪ってところです。

あまりない大雪の様子を日常のような”味”で描き上げてしまう川瀬巴水の深さに感動してしまいました。

川瀬巴水 「旅みやげ第三集 田沢湖漢搓宮」

旅みやげ第三集 田沢湖漢搓宮

 

「芝公園の雪」どの絵も画面の前面に大粒な雪がおおっています。

日光神橋の雪

 

スティーブ・ジョブズも大正新版画のコレクター

江戸の浮世絵が衰退し浮世絵を再び、という運動が大正期に起こりそこで生まれたのが「新版画」です。

江戸版画に比べ2,3倍多い摺り度数で木版画とは思えないリアルな作品に仕上っているのが特徴です。

日本で新版画の知名度はそれほどでもないのですが、外国人には大変な人気でスティーブ・ジョブズも有名なコレクターだったそうです。

ここにきて大正時代に刷られた新版画の人気と価格がグングン上昇中らしいです。

お金に余裕のある方は「新版画」に注目です。

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