旅・街歩き

福左右衛門の修学旅行 第一日目

福左右衛門の就学旅行と勝手に名付け、2015年夏、京都・奈良を妻と二人で訪ねてきました。

第一日目(2015.8.28)

開運の期待感じさせる伏見稲荷大社

新幹線を降りてまず向かったのは開運の神、会社や個人宅にもある稲荷様の総本山伏見稲荷大社です。

京都からJR奈良線に乗って二駅目に位置しています。

「お参りして、新しい運が開けるといいなあ」と電車の車内でつぶやく、と

「いまさら開運?いくつになったと思っての?自分のことより子供の将来をお願いしなさい!」と横から妻。

旅の初めから手厳しいお言葉。先が思いやられます 😉

と、まあ小競り合いはあったもの最寄り駅稲荷駅に到着しました。駅を降りると、立派な山門が現れました。優美な屋根と嫌味ない朱色がマッチしていて、これから開運を祈ろうとするものの期待をふくらませてくれます。ワクワク。

 

伏見稲荷大社

稲荷様の総本山、伏見稲荷大社。祈ればきっと良いことが・・・・・・・

 

伏見稲荷の狛犬は凛々しく他の神社より気高いような気がします。どうですか。シャープで「この鳥居をくぐってお祈りするからには、よこしまな気持ちじゃいかん!」という目をしているじゃないですか。

伏見稲荷のきつね

よこしまな気持ちはダメ!と見張っている狛犬

 

願い事の成否がわかってしまう「おもかる石」

灯籠のてっぺんに乗っている大きめのメロンくらいの石を持ち上げて、石の重さが予想より重たいと願いはかなわない。逆に思ったより軽いと願いが叶うという「おもかる石」。

数人並んでいましたが、当然やります。せっかくきたからには運を試します。

胸の前にメロンの大きさを空想し、包み込むよに両手で石の重さを感じます。

「うんこのくらいだな」と、目の前にあるメロン大の石の重さを自分なりに決めました。

順番がきて灯籠に近寄り、胸の下くらいの高さにあるメロン大の「おもかる石」を両手で持ち上げました。

「よいしょっ・・・うん・・・あれ~」

「おもーい」

重いのでした。ガーン。ざんね~ん。

これで願い事は叶わないといとても悲しい結果がでてしまったのです。

おもかる石

灯籠の頭の石は以外にも重かった

数万本あるけど千本鳥居

願いが叶わないという結果がでたのにもかかわらず、あれはメロンを想像したのがいけなかったのだと、結果を認めようとしないおめでたい性格なもので、さっさと次へといそぐのでした。

外国人にも有名な千本鳥居です。見事というか、よくもまあといおうか、日本中の”欲”いや”願い”が凝縮したといおうか霊的な雰囲気を感じました。

千本鳥居というけど数万の鳥居があるそうです。

したの写真は妻と福左右衛門です(顔出しはちょっと恥ずかしいのでモザイクかけちゃいました)。

千本鳥居

想像以上の鳥居の数に圧倒!

 

鳥居は会社経営をしている全国の社長さんたちが初穂料を払って建ててもらっているようです。もう新しく建てるスペースは無いように見えますが、料金表(訂正初穂料)が貼ってありました。

千本鳥居の値段

ご興味がある方はどうぞ

 

参道のおみやげ屋さん

伏見稲荷の参道にあるおみやげ屋さんをのぞいている観光客は、みんな開運を信じているらしくテンション高めです。

神社で御札、おみやげ屋さんでは朱色のミニチュアの鳥居を買いました。

伏見稲荷参道

外国人も、日本人の若い人にも大人気

 

伏見稲荷参道のおみやげ屋さんも混雑してました。おみやげ屋さんに飾ってあったきつねくん。

伏見稲荷かわいいきつね

かわいいけどちょっと底意地が悪そうなきつね

 

開放感いっぱいの東福寺へ

これ以上は無いという願い事をしたのですが、おもかる石では残念な結果とあいなりました。次に向かうは東福寺です。

東福寺はとにかく広い!驚きました!観光客も少なく、立派なお寺です。他人と肩をぶつけたくないといった方の京都観光には、おすすめです。

東福寺金堂

夏の東福寺本堂

 

東福寺は警備員に見張られているという緊張感がなく、撮影も自由(たぶん)なので開放感いっぱいです。

本堂の内部へは立ち入り禁止なのですが、格子戸の間から中は撮影可能した。格子戸のすき間に肩まで腕を差し込んで天井を写したのが下の写真です。不審者ふうの行動でしたが、注意されないですみました(ほッ)。

東福寺金堂 龍

東福寺本堂天井の龍は大迫力

 

砂の市松模様と石畳の斜め45度がいい

夏の日差が強く、汗をかきながたどり着いた東福寺開山堂は天国いや浄土にも似た風景でした。

青い空、濃いみどりの山、歴史ある重厚な建物、白い砂のクロスを描いた市松模様そして斜め45度の石畳が敷き詰められた回廊、全てが調和して浄土を演出しています。「時間を忘れてしまいます」とか「時がとまったようです」とか表現する場合がありますが、まさにそれです。

東福寺の開山堂

夏空にみどり、白砂、歴史ある建物が静寂を生み出す

 

建物正面に対して斜め45度のブロックを敷き詰めると落ち着いて雰囲気が出ることをガーデンデザインの先生に聞いたことがあります。現代のビルのロビーも斜め45度のクロスをきってある場所は結構多いのです。すでに昔の人は斜め45度の法則を知っていたんだと、一人うなづきながら歩きます。

「斜め45度の美、見事だよね」と妻に語りかけると

「また、そんなことで感心してー、そんな訳の分からないこと考えて見てる人いないわよ 😈 」という答えが返ってきました。

東福寺開山堂内部

東福寺開山堂の内部の床は斜め45度。美しい。

 

回廊も斜め45度の敷石が並んでいました。白砂の市松模様に対してとても調和がとれていますな。う~ん、素晴らしい。

東福寺開山堂市松模様

砂に描かれた市松模様と斜め45度の石が敷かれた回廊

 

だいぶ年月が経過しているので少し不揃いですが、白砂とのコントラストがとても美しいです。

東福寺開山堂回廊

東福寺開山堂の回廊は建物、砂の市松模様に対して斜め45度

 

東福寺のもみじはとても有名らしいです。確かに沢山のもみじの木が植えられています。しかし、ところどころ男性的な直立した大木もあって、秋の季節だけでなくて四季を通じて楽しめるようになっています(たぶん?)。

東福寺もみじ

東福寺はもみじの名勝。男性美と女性美の木が美しい

 

地元のでにぎわ洋食屋さん

昼食はスマホで調べた、三十三間堂近くの「本町亭」へいってみました。間口が狭いカウンターだけのお店ですが、地元のお客さんでとても賑わってました。

それはそのはず出てきた料理に、見て納得、食べて納得、支払いを終えて納得の三拍子そろった定食屋さんだったのです。

混むはずです。この日の昼食は大正解でした。

京都本町亭のランチ

三十三間堂の近くの本町亭のランチはボリューム満点

 

圧巻の三十三間堂

お腹も一杯になって体力回復と言いたいところなのですが、普段からの運動不足がここにきて効いてきました。足がだる~くなってきたのです。多少の疲れで中止するわけにはいかないのです。だって「就学旅行」だからです。さあガンバロー 😀

三十三間堂は内部撮影禁止だったものでお見せできる写真がなくて残念でが、千体がズラーッと並ぶ観音様の内部は圧巻そのものです。

「タテ・ヨコ・ナナメすべて真っ直ぐ並んでるナ。よく並べられたなー」

と、またどうでもいいところに感心していると

「なに、変なとこ感心してるの。ロープかな何か張って並べたんじゃないの」

と今回もまた妻からのさめた返事が返ってきてしまいました。

真っ直ぐに並べるって難しいのになぁ。しかも100メートルの距離に1000体の仏像を縦、横、斜め、に並べる技術って相当だなと一人でしながら、もう口には出しませんでした。

三十三間堂

100メートル以上ある建物

 

宿泊は竹やぶがあるスタバ

三十三間堂からバスで京都駅に出て地下鉄で宿泊場所の「烏丸京都ホテル」に向かいました。

地下鉄四条烏丸で降りて宿泊場所を探していると竹やぶのあるおしゃれなスターバックスコーヒーがあらわれました。

「おしゃれだね」

などと妻と会話しなが宿泊ホテルを探していると、

「あった、ここだー」

スタバのある建物が一日目の宿泊場所でした。

田舎者はスタバがあるだけで嬉しくなるものですからとてもラッキーです。

京都烏丸ホテル

竹林に囲まれたスターバックスコーヒーがある

 

中学の修学旅行の記憶と照らし合わせながら新京極へ

ホテルで一眠りして、夜の京都へ繰り出すことにしました。「繰り出す」とはいっても二人で食事をとるだけです。

どこに行こうか二人で地図を凝視していると「新京極」という地名が目にとまりました。

「中学の修学旅行で新京極って、行ったよね?」

「行った!いった!」

めずらしく意気投合。

じゃあ行ってみようとなり、少し距離はあったのです歩いて行くことにしました。

夜なので閑散とした錦市場をとおり、更に進むと突き当りに何処かで見たことのある景色がでてきました。

NHK「ブラタモリ」で紹介された建物に突き刺さる鳥居のある風景です。

「おお~、これだ!感動」

「単純ねー」と妻。

錦天満宮

NHKブラタモリで紹介されたビルに突き刺さる鳥居

 

鳥居の上部が見事に二階の部屋へ食い込んでいます。

柱は地面の境界線に収まっているから問題無いだろう、鳥居の上部を超える建物などできるはずが無いだろうと、ふんで職人さんその昔造った鳥居が、今こんな状態です。昔の人がこれを見ればさぞ驚くというより笑い出すんじゃないでしょうか。

サイズオーバーな鳥居

二階の部屋まで鳥居の先端が突き出ています

 

滑稽な鳥居をみて感動したあとは、40年前の記憶と照らし合わせながら新京極を散策しました。

40年も経過して新京極に立って見回す風景は、ゲームや雑貨やおみやげ屋が並ぶかわいい10代の遊び場にしかみえません。「カツアゲされるからきをつけろ」と先生から言われておびえていた、あの頃の自分がかわいく思えてきました。

「歳月は人を図々しくする」(名言 😆 )

 

先斗町は外国人で大にぎわい

ノスタルジーを感じた新京極を後にして、人がたくさんいる河原町へ吸い寄せられるように向かい、そして先斗町(ぽんとちょう)へと出ました。

「おお・・・、ここがあの先斗町か?」

あの、というのは、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」によくでてきたからです。

しかし、感慨にふけろうか、などといった暇はありません。

狭い路地は人、人、人でごった返しています。特に外国人が多くその賑いはすごいものです。

昼食がボリューム満点だったので、軽く済ませようと思って懐石を探したのですが、敷居が高そうな店ばかりなので串焼き屋で軽くいくことでお互い了承しました。

先斗町の夜

夕食は串揚げ

細い路地に風情ある飲食店

細い路地に風情ある飲食店

 

ようやく福左右衛門の修学旅行一日目は就寝になったのでした。

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