
足元に訪れた、もうひとつの春
テレビでは連日、桜の開花情報が繰り返されています。世間がその話題でにぎわうなか、ふと足元に目をやると、我が家のまわりにも静かな春が訪れていました。

朝露をまとった水仙とムスカリは、地中に蓄えた力を一気に解き放つかのように、やわらかな光の中で花開いています。

春は心を浮き立たせる季節です。次々と花が咲き、庭は一気に華やぎます。しかしその一方で、ホトケノザやタンポポといった草たちも勢いよく伸び始めます。

朝露を宿した綿毛がきらきらと輝く様子は美しくもありますが、それは同時に、庭にとっては手を入れるべき合図でもあります。春は喜びとともに、悩ましさも連れてくる季節です

芝生を青々とした姿によみがえらせるための大作業
この時期に欠かせない作業のひとつが、芝生のサッチ取りです。

サッチとは、前年に枯れて積み重なった芝の層のこと。これをそのままにしておくと、通気が悪くなり、土に栄養が届きにくくなって、健康で青々とした芝生には育ちません。

熊手でかき出し、一輪車で運び出す――地味で手間のかかる作業ですが、美しい芝生を保つためには避けて通れません。
芝のサッチ取りにはナイロンコードで刈り払う
昨年まではバーナーで芝を焼いて処理していました。効率がよいようにも思えましたが、実際には時間がかかり、乾燥した時期の火の扱いにも気を遣います。さらに、焼ける匂いが思いのほか遠くまで届くという問題もありました。

そこで今年は方法を見直し、ナイロンコードの刈払い機で芝を短く刈り、その後に熊手でサッチを集めるやり方に変えてみることにしました。

枯れた芝を刈る様子を動画にしてみましたが、作業結果は上々です。
細部に残っていた枯れた茎もきれいに除去でき、バーナーで焼いていた時よりも大幅に時間を短縮できました。

下の写真は昨年の様子です。例年どおりに緑が回復すれば、今回の刈払い機による方法は大正解といえるでしょう。
果たしてその結果は――。

自然のままと、人がかかわった自然
自然のままの風景は、何もしなくても美しいものです。
しかし庭は自然でありながら、まったくの自然ではありません。人の手が入った時点で、それはすでに「管理されるべき場所」へと変わっています。
放っておけば、やがて見苦しい姿へと変わっていきます。
自然を自分の暮らしの中に引き入れた以上、その美しさを保つこともまた、引き受けるべきことなのだと思います。

朝露に輝く花々に励まされながら、今日もまた、そんな地道な作業に向き合っています。




