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「いちから分かるシェイクスピア」受講して分かったシェイクスピアの真髄 - 風が福左右衛門

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「いちから分かるシェイクスピア」受講して分かったシェイクスピアの真髄

シェイクスピア劇はなぜ今もいきているのだろうか?

なぜ、シェイクスピアの作品の多くが没後400年たった今も映画や演劇で上演されているのか、ずっと疑問に思っていました。

八王子東急スクエア

その疑問が解けるかもしれない、といった期待から「いちから分かるシェイクスピア」という講座を受けてきました。

 

開催は八王子東急スクエアにある八王子学園都市大学いちょう塾。

講師は杏林大学 外国語学部 元教授 川地 美子先生による3回講座です。

参加者は男性2,女性2の計4人です。

 

シェイクスピアの真髄を知りたくて

生まれてからこの方シェイクスピアは一冊も読んだことがない、という無謀な行動だったものですから参加者が4人というのは、いやーな予感がしました。

すると先生から

「自己紹介とシェイクスピアの作品でお好きなものは?」

ほら、ほら、きました。

予感的中です。

「では!あなたから」

と最初に名指しされてしまいました。

ううっー、困りました。

「ま、まだ、一冊も読んだことありません。シェイクスピアの真髄を知りたくて参加しました!」

と正直に答えました。

「シェイクスピアは奥が深いですよ、講座が終わるまでに是非一冊お読みください」

と優しくさとされ、事なきを得ました。

シェイクスピアは人の心と時間の関係を知っていた

「いちから分かるシェイクスピア」の受講しての私なりの収穫を書きます。

結論からシェイクスピアのきもは「時間」なのだということです。

人間の心を追求して素晴らしい作品を残している作家はたくさんいます。

けど、シェイクスピアほど「時間」が人間の心に多くの影響を及ぼしていることを捉えた人はいないのではないでしょうか。

400年たった今でもたくさんの作品が演じられている理由がここにあるのだと思います。

「神」中心の中世から「人間」中心に移行するネッサンス時代においてシェイクスピアは深く深く人間の心に分け入って時間の概念を加味して多くの作品を残しました。

そして、数々の名言(名台詞)を残しています。

シェイクスピアの名言には「時間」が入っているものが多い

では、シェイクスピアの名言で時間の概念があるものの一部を拾ってみましょう。

  • 「今が最悪の状態」と言える間は、 まだ最悪の状態ではない。

  • 不幸を治す薬は、ただもう希望よりほかにない。

  • 君、時というものは、 それぞれの人間によって、 それぞれの速さで走るものなのだよ

  • 過去と未来は最高によく思える。 現在の事柄は最高に悪い。

  • 期待はあらゆる苦悩のもと

  • 過去の弁解をすると、その過失を目立たせる。

シェイクスピアの「創造的時間」と「破壊的時間」

『マクベス』の一節を先生が解説してくれました。

来るものは来るがいい。どんな荒れ狂う日にも時間は経つものだ。

『マクベス』

 

人生には二つの時間が流れていというのです。

「創造的時間」「破壊的時間」

歯を食いしばりながコツコツと努力を積み重ねている時が「創造的時間」。

お金をもうけて成功したと有頂天になっている時が「破壊的時間」。

不幸、最悪と思っている時期こそが実は最良な時間「創造的時間」が流れているのです。

もう一方「破壊的時間」は、お金持をもったことや出世して調子にのっている時です。

成功して裕福になって幸せを感じている時、実は裏側で「破壊的時間」がながれているのです。

栄華を極め、ちょっとした出来事から奈落の底に落ちて再度復活するストーリーは今の映画でも劇でも定番中の定番です。

この定番ストーリーの裏にある「創造的時間」と「破壊的時間」を発見したのがシェイクスピアなのです。

ちょっと自分の人生を考えてみてください。

「創造的時間」と「破壊的時間」が必ずあったはずです。

それを上手に着色すれば「物語」になりませんか?

ほらっ、なったでしょう。

シェイクスピアから見えてくる『忠臣蔵』が好まれる理由

もうすぐ12月です。

忠臣蔵がどうしてずっと好まれるのか、ちょっと考えてみましょう。

けっして日本人が「復讐」好きなわけではありません。

「忠義」が好まれるので人気がある、と一般的には理解されています。

しかし、シェイクスピアの時間の概念からすると人気の秘密は「忠義」だけではありません。

大石内蔵助と四十七士が耐えに耐え我慢に我慢をかさねている様子、すなわち彼らの「創造的時間」に魅力を感じるのです。

現代の日本人は「忠義」より、むしろ忠臣蔵の「創造的時間」が好きなのだと思います。

シェイクスピアにとって時間とは

「時の鎌が刈れないものは何一つない!」

とシェイクスピアはいっています。

心の中の美しい花であっても心の中にはびこった雑草であっても「時間」という鎌はすべて刈り払うことができる。

時間が「すべて」をです。

人間の存在以前に時間があるのです。

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