薪ストーブ

薪ストーブで迎える冬 ― 冬支度は、火のある暮らしから始まる

2015年10月22日

日が短くなり、朝晩の空気にひんやりとした気配を感じるようになると、自然と頭に浮かぶのが「冬支度」という言葉です。
我が家にとって冬支度とは、暖房器具を出すことではなく、薪ストーブを迎える準備を始めることでもあります。

今年も、そんな季節がやってきました。

薪ストーブの冬は、準備から始まる

薪ストーブのある暮らしは、スイッチひとつで暖まる生活とは少し違います。
冬を迎える前から、すでに暮らしは動き出しています。

まずは薪の確認。今年分の薪は足りているか、乾燥具合はどうか。
足りなければ、薪割りをして補充する必要があります。

そこで活躍するのがチェンソーです。
長く使ってきた道具ですが、いよいよ本格的な薪づくり用に新しいものを迎えました。
薪ストーブの冬は、道具を整えるところから始まると言っても過言ではありません。

スチールチェンソー
スチールチェンソー 30ccのエンジン

薪を作る時間も、冬支度の一部

薪割りは決して楽な作業ではありません。
丸太を運び、割り、薪棚に積み上げる。体力も時間も必要です。

それでも、この作業をしていると不思議と気持ちが整ってきます。
黙々と木に向き合い、割れた薪が積み上がっていく様子を見ると、「これで冬を迎えられる」という安心感が生まれます。

薪ストーブの冬支度は、単なる準備作業ではなく、
冬へ向かう気持ちをつくる時間なのかもしれません。

薪

薪ストーブの暖かさは、数字では測れない

薪ストーブの暖かさは、エアコンやファンヒーターとは質が違います。
部屋全体がじんわりと温まり、身体の芯まで熱が届くような感覚があります。

炎の揺らぎ、薪がはぜる音、ほのかに漂う木の香り。
視覚・聴覚・嗅覚すべてで「暖かさ」を感じられるのが、薪ストーブの魅力です。

火を見つめていると、何も考えずにぼんやりする時間が生まれます。
慌ただしい日常の中で、これほど贅沢な時間はなかなかありません。

ストーブ
自作の薪ストッカー

手間があるからこそ、冬が特別になる

もちろん、薪ストーブは便利な暖房器具ではありません。
薪の調達、薪割り、灰の処理、煙突掃除など、手間は確実にかかります。

正直に言えば、「楽だから薪ストーブを選んだ」という人は少ないでしょう。
それでも薪ストーブを使い続ける理由は、その手間を上回る価値があるからです。

火をおこし、薪をくべ、暖かさを保つ。
この一連の動作が、冬と向き合っている実感を与えてくれます。

ホンマ 薪ストーブ

      

薪ストーブは、冬を楽しむための道具

薪ストーブは、ただ寒さをしのぐための道具ではありません。
冬という季節を、少し丁寧に、少し豊かに過ごすための道具です。

薪を作り、火を入れ、炎を眺めながら過ごす時間は、
「冬は寒くてつらいもの」という考えを、「冬も悪くない」に変えてくれます。

今年の冬も、薪ストーブとともに静かな時間を重ねていくつもりです。
火を囲みながら、ゆっくりと季節を味わいながら。

薪2

おわりに

冬支度とは、単に寒さへの備えではなく、
どんな冬を過ごしたいかを考えることなのだと思います。

薪ストーブに火を入れる瞬間、
「ああ、今年も冬が来たな」と静かに感じられる暮らし。

それが、我が家の冬支度です。

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