先日10センチくらいの雪が降って小学校が休みになりました。
雪で休校にもかかわらず、通学路に警官がいて通してくれなかったものですから、普段は40分で職場へ着くのに2時間もかかってしまいました。
警察と自分勝手くんの攻防
通勤途上にすごく混雑する三叉路があります。
そこには、混雑の時はこちらをお通りくださいといったような、ちょうどいい抜け道(道幅は結構広い)がついているのです。
普段はその抜け道でヒューンと混雑三叉路を通過しています。
しかし、その抜け道は午前7時30分から8時30分まで通学路のため車の通行は禁止されていのです。
私の場合は7時30分より前にここを通るのでセーフなわけです。
で、話はここからです。
その日は雪が降ったことで、普段の5倍くらい混雑して一向に前へ進めません。
ノロノロ運転のため脇道へ入るための時間、つまり午前7時30分を過ぎてしまったのです。
雪です。休校です。小学生はだれも歩いてません。
「今日は通ってもいいことにしよう!」
このとき私の中に”自分勝手くん”が生まれました。
通行止めの時間にはなっていましたが、前方をみると私と同じように思っている車が抜け道へと続々と入っていきます。
「みんな同じだ!良いんだ!行っちゃえ!」
更に”自分勝手くん”は仲間という援軍を得て大きく成長しました。
ソロソロと抜け道を進んでいくと、規則的に赤く光るものが見えてきました。
赤い回転灯です。
警察官が待ち構えていたのです。
「なんにやってんだ!こんなに混んでんのによー!」
”自分勝手くん”は爆発しました。
逆らっても仕方ない。
しぶしぶUターンです。
渋滞の列へ並び直しです。
「何があろうと規則は規則、ダメなものはだめ!」
この融通のきかない警察官の行動に、動かない車の中で”自分勝手くん”はキレまくっていました。
”自分勝手くん”と警察官の考えの違い
”自分勝手くん”の理由
- 積雪10センチを超える雪で小学校が休校なので、児童への危険性は少ない。
- 普段でも混雑する交差点が普段の5倍くらい混雑しているので、抜け道を利用したほうが自分も時間短縮できるし、エネルギーの節約にもなる。
- 抜け道を通れば渋滞から抜ける人がでるので、並んでいる他の人にもメリットが大きい。
警察官の理由(たぶん)
- 交通標識にあるように規則である。規則は変えられない。
- もし、交通混雑緩和のため脇道を通行させ事故が起きたら自分の責任問題だ。
今回は”自分勝手くん”の負け
今回のことを冷静に考えると私の中の”自分勝手くん”の負けかなと思いますね(わりと冷静でしょ)。
交通渋滞だけなので、まあ非日常(非常事態)にはあたらないでしょうね。
雪だから、すごく混雑しているからといって通ってはいけない道を通っていいという理由にはならない。
でもですね、「規則だから」一点張りでいると大きな見当違いを起こすことがあります。
規則通りにやったのに批判された例
- 東日本大震災で幼稚園バスを通常のように運航して津波にのまれて園児が死亡したのは非常事態を判断しなかった幼稚園に責任があると判決が出た。
- 阪神大戦災では、フランスから救助犬を率いたレスキュー隊が駆け付けたが、空港の検疫官が検疫をしないと日本国内へはいれないと頑張って、救助犬が震災の現場になかなか入れなかった。
- 福知山線の脱線事故では、JR西日本の社員が脱線した電車に大勢のっていたが、会社に遅刻してしまうという理由で自社の大事故にもかかわらず救助活動をまったくしないで会社に出勤していた。
非常事態では普段と同じ行動をとってはいけない
非常事態であるにも関わらず日常と同じ規則で行動をとってしまうと、取り返しのつかないことになってしまいます。
上の例示であげた内容は当事者はただ規則通り仕事しただけなのです。
何も悪いことはしていません。
普段と同じ任務を遂行しただけです。
でも世間から批判を浴びてしまったのです。
何が間違っているのだろうか?
「抜け道を通る」件を例にとると、あと一つ条件が加わると警察官のほうが世間から非難を浴びることになるのだと思います。
あと一つの条件とは
人命です。
もし、私が急病人を乗せていたら通行させない警察官は批判されます。
3つの例示でもわかるとおり「人命」がかかっているにも関わらず規則どおり行動したのが問題なわけです。
他人の”自分勝手くん”と意気投合しないように
震災、水害で、非常事態になった時の行動は本当に難しいと思いますよ。
当然それぞれの人の中に”自分勝手くん”が生まれます。
”自分勝手くん”同士が意気投合すると「暴動」にも成り得ます。
そうなったら法律や規則は何の役にもなりません。
風の福左右衛門としては人命が関わっている時は規則は破られてもしかたがない。
それ以外では多少の”自分勝手くん”が生まれてもいいが、他人の”自分勝手くん”と意気投合しないようにすべきかなと思っています。