はじめに
奈良県の長谷寺と岡山県の吉備津神社は、どちらも美しい回廊を持つ名所です。今回は、この二つのお寺を訪れ、それぞれの回廊の魅力を写真で比較しながら紹介します。
回廊のデザイン
長谷寺の回廊(登廊)
長谷寺の回廊は、階段状となっていて登廊と呼ばれます。
石段は399段、長さは約200メートルで尺貫法で108間あります。
108?何か思い当たる数字じゃないですか。
そう、除夜の鐘も108つでした。
一人の人間には108つの煩悩があるといわれています。
本堂に向かって一段進むごとに、ひとつの煩悩が消えるそうです。
重厚な柱、規則正しく並んだ吊るし灯籠、周囲の景色を見ながら登れば108段はそれほど辛くはありませんでした。
あっさり煩悩が消えてしまいました😄
吉備津神社の回廊
吉備津神社の回廊は、天正7年(1579年)再建され回廊の長さは360メートルもあります。
今だったら「効率が悪い」「そんな長い距離いらないだろ」「予算がかかる」と突っ込みどころ満載で、決して実現しない代物ですね。
長谷寺の階段とは対照的に緩やかな坂道になっておりゆっくり長い距離を歩くことができます(疲れません👍)。
地元小学生の作った万燈が両サイドに飾られていて親近感を覚えます。
過去には、戦争で中学校が焼失してしまい、この回廊で大勢の生徒が机を並べたという歴史も残っています。
歴史的背景
長谷寺の歴史
長谷寺は奈良県桜井市にある真言宗豊山派の総本山で、奈良時代に創建され、歴史と風格を感じさせるお寺です。
本尊の木造十一面観音は高さ10メートル以上あり、別の拝観料ですが一見の価値はあります。
吉備津神社の歴史
吉備津神社は桃太郎伝説の地としても知られています。
本殿は二羽の鳥が翼を広げたような「比翼入母屋造」という全国でここだけという造りで、京都の八坂神社に次ぐ大きさです。
風景の美しさ
長谷寺の風景
山ふところに位置する長谷寺はエネルギーの強い特別な場所にあります。
行くだけでご利益がある美しい風景の中にあります。
吉備津神社の風景
平野を一望に見渡せるパワーを感じられる小高い山に吉備津神社は位置しています。
緑豊かな中に反り美しい本殿の屋根を見るとなぜかワクワクしてしまう景色です。