風が福左右衛門は介護施設で働いています。
このブログは介護現場で働いている人たちをつうじて日本の介護の未来を探っていくことを目的としています。
今回はシリーズ第2弾、今の介護現場の柱は誰かを探ります。
介護現場はに存在する二つの段階(ステージ)
前回シリーズ第1弾ではアメリカの現代思想家ケン・ウィルバーの発達段階の理論を借りて介護職の分類をしてみました。
介護現場は利己的段階と体制順応型段階二つのステージに属する人たちによって主に成り立っています。
おさらいの意味で二つの段階を載せておきます。
・利己的段階
自分の欲求を満足することを最優先する段階。
社会の規範やモラルを面倒くさいものと考えたり、他人や自分の属さない組織は利用するだけ利用するといった思考回路で、その辺りの不合理を指摘すると自己防衛に走って、逆ギレをする。
・体制順応型段階
社会や文化や組織が決めた規則、規範、役割、規範に応えることを最優先する段階。
社会や組織の実力者、年長者、上司の期待や気持ちに応えることが「できる人間」と考え、その枠からはみ出ない。
利己的段階の人の職種
利己的段階の人がつく職種の特徴として次のようなものがあります。
その日その日で完結する仕事
利己的段階の人のが求める職種は一日一日勤めればそれで終了、翌日はまた同じことを繰り返す職種。
自分の抱える仕事を翌日に持ち越すような仕事はあまり好みません。
人との関りが少ない職種
もう一点、利己的段階の人々が選ぶ職業は、人間同士の関係性を持たない、製品製造などの職業を選ぶことが多いです。
人とのかかわりを持つと予想外のことが発生しそれを処理するのが面倒なので利己的段階の人のはそういった職業は避ける傾向にあります。
介護の仕事は承認欲求が満たされる職種
ではなんで人と密接につながる仕事の王道「介護」に利己的段階の人が多くついているのでしょうか?
その答えは、ズバリ「承認欲求」です。
認められると幸せ!という遺伝子はすべての人間に組み込まれています。
承認欲求は人間の三大欲求(食欲・性欲・睡眠欲)につぐ強い欲望です。
人間関係が濃厚な介護の世界には多くの利己的段階の人がかかわっているのはこのあたりに核心があります。
介護が必要な人にとって何が最良か見極める人
利己的段階より進んだ位置にいる体制順応型段階の人は対人援助の技術をもっています。
介護が必要な人の気持ちを理解して、その人の意向だけでなく何が最良の支援かを組み立ることができるのです。
利己的段階の人たちは援助だけに目がいってしまいます。
介護現場で「仕事ができる人」と呼ばれるのはどんな人
前回のこのブログでも書きましたが、介護現場は利己的段階と体制順応型段階の二大勢力がで占められています。
こんな二大勢力の中で介護を管理してまとめているのが体制順応型段階人たちです。
しかも初期段階ではなく、ある程度段階を中盤すすんだ人たちです。
この人たちはどこの介護現場でも「仕事ができる人」と呼ばれるているはずです。
上司の命令、会社の方針、役所の規則をよく守るのが特徴です。
介護施設にとっては核となり不可欠な存在がこの人たちです。
援助を可視化することができる存在
人への援助(介護)というスケールでは測れない業務を可視化して役所からお金を持ってくることができるのはこの段階の人たちの業務のおかげです。
現在の日本介護は体制順応型段階の人によって回っている! と言っていいと思います。
まとめ
承認欲求を求めている利己的段階の人、その上に体制順応型段階の人が働いていのが介護現場の現状という図式が見えたでしょうか?
今の日本の介護は、役所が法律で国民からお金を徴収して、承認欲求の強い利己的段階の人が介護し、規則をきっちり守る体制順応型段階の人が数値化してお金を還元している。
ごくごく単純図式で描くとこんな所かな、と風が福左右衛門は思っています。
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