40代50代の課長さんクラスが、今どうしていいのかわからなくなっているという。
とんでもない方向からパワハラ扱いをされてしまうというのです.
この話は求人広告の会社、アイデムの秋川さん(仮名)が話してくれました。
では具体例でいきましょう。
先輩から言われたことを後輩にいったらパワハラになってしまう
ある会社の課長さんと部下のやり取りです。
「この仕事は石にかじりついてでも、今日中に片付けろ!」
20年前の職場環境ならなんでもない一言です。
ところが今や、フェイスブックやツイッターというSNSというヤツがあります。
「チョ~きつい!最悪。石にかじりつけッだってー!おれの上司マジむかつく!」
と発信したとします。
「おまえの会社、石おいてあんだ!なんちゅう会社や?」
と知り合いがコメントします。
「あいつは確か株式会社○○だぞ」
とまた別の人がコメント入れます。
「石って象くらい?それとも猫くらい?」
「じゃみんなであいつの会社へ見に行こうぜ(笑)」
みたいなことになって収集がつかなくなります。
そして、これが回りまわって会社の社長さんの耳に入ります。
「パワハラは会社のイメージを悪くするから部下の指導は気をつけてくれなきゃ困る!」
これが冒頭の課長さんがどうしていいかわからない原因です。
課長さんは納得が行きません。
なぜなら「石にかじりついてでも・・・・・・」は課長さんが20年前、上司から言われたことをそのまんま後輩に言っただけです。
しかもその上司は社長になっています。
そうです「パワハラは困る」といった社長、その人です。
人間の集団は気体化していく!?
気がつかないうちに指導の仕方が百八十度変わってしまっています。
先輩がら教えられたことをそのまま部下に伝えた冒頭の課長さんは、この急激な変化の犠牲者です。
仕事の環境は何でこんなことになってきているのでしょう?
コンピュータ、ネットワーク、SNSが発達したからなのでしょうか?
それも大いにあると思います。
でも、人間の集団つまり社会が気体化してきているように思えてならないのです。
個体→液体→気体
というイメージです。
労働環境は氷のかたまりから水に変化した
昔の職場環境は個体でした。
社員たちは、ひとかたまりの氷でした。
違う会社の社員が転職して新しい氷のかたまりにひっつくことは稀でした。
新人は液体、水のようなものですから徐々に凍り始め、会社という氷のかたまりの一部になっていきます。
バブル崩壊した後、リストラ、就職氷河期、非正規雇用、フリーター、ニート、ワーキングプアと新しい単語が続々生まれました。
この時期に労働環境は流動化しました。
すなわち液体「水」の状態です。
人もあっちへ流れ、こっちに流れる状況になりました。
現在もこの状態でしょう。
これからの労働者は熱い蒸気になれ
冒頭に登場したアイデムの秋川さんと未来の仕事、働き方はどうなっていくか意見を交わしました。
「個人個人がタブレット端末を持たされ、細部まで管理される働き方に変わると思いますよ」
ほっほ~、なるほど。
ここで、ピンときました。
「仕事は細分化している、いや分裂してきているな」と。
それで「個体→液体→気体」の考えがでてきたわけです。
これからの労働者は気体になってフワフワと労働市場を漂う。
これからの働き方っていうのは、こういった形態じゃないかなぁと思うのです。
しかし、だだの気体じゃ、なんの役にもたちません。
熱っ~い、蒸気じゃないと。
蒸気は機関車の原動力にもなるし、発電のタービンも回す。
労働市場を漂うけど、力をもった存在が未来の働き方だと考えます。