風に吹かれて大阪ミナミ、法善寺横丁へ行ってきました。

「善哉」って、とても良いな呼び名だと思いませんか?
法善寺横丁には「夫婦善哉」というお店があります。
善哉ってお汁粉のような小豆を甘く煮た汁に白玉や餅が入っている食べ物です。

なんで「善哉」というのでしょうねぇ?
気になりませんか?
私は気になります。
どうしてか、というと。
「善」と「哉」・・・・・善きことかな、ということです。
とっても善い行いの食べものみたじゃないですか。

お汁粉を食べるより良いことがおきそう?
一方、おなじような食べ物に「お汁粉」があります。
ちょっと粗末な感じを受けます。
名前からすると善哉のほうが数段上手です。
善哉の名付け親ってかなりセンスあります。
善哉が気になったので小説「夫婦善哉」を読んでみた!
さて、さらに「善哉」の頭に「夫婦」がつく夫婦善哉。
語呂もいいし、響きもいいです。
ここで正直に白状します。
法善寺横丁へいったよ!夫婦善哉のお店があるよ!
と、言っておきながらこのお店へ入って善哉を食べて来なかったのです。
たしかに夫婦善哉を食べなかったのですが、しかし、名作『夫婦善哉』は読みました。
これから、そこのところをちょっと語らせていただきます。
夫婦善哉からどんな話を想像しますか?
「夫婦善哉」のタイトルをみてどんなストーリーを想像しますか?
仲睦まじい夫婦愛を描いたもの、反対な悲しい愛がつづられているもの、どっちでしょうか?
今は便利な時代です。
インターネットから無料でダウロードして簡単に読めます。

太宰治と双璧をなす、作家織田作之助
『夫婦善哉』の著者をみると織田作之助とあります。
ガーン😨、、、織田作之助を知りません。
調べてみると太宰治と肩を並べる作家で東の太宰、西の織田といわれるほどの作家なのです。
なんて無学なんだーぁ、自分の頭を2回ほど殴りつけてやりました。
強い反省をこめ、一気に読み進めることにします。

夫婦善哉は妙に心にのこる小説
芸者の蝶子と化粧品問屋の若旦那の柳吉が駆け落ちをするところから話が始まります。
柳吉は蝶子に生活費を稼がせるぐうたらな暮らしをするのですが、時々思い立った商売をはじめるのです。
剃刀屋、関東煮、果物屋、カフェなど商売を始めます。
最初は上手くいくのですが柳吉の浪費癖によりすべて失敗に終わります。
その陰に蝶子の、どうしてそこまで、と思えるほどの純粋でひたむきに柳吉へつくす姿が歯がゆく、読者をイライラさせながらストーリーは進みます。
苦労の年月を経たあと、柳吉は蝶子を法善寺境内の「めおとぜんざい」に誘い、二人仲良くぜんざいをすする。
と、こんな話です。
こんな大したことないような感じですが、妙に心に残る物語ですよ。
おすすめします。

小説夫婦善哉に登場する食べ物屋さんが今も営業中
写真の関東煮のお店が登場します。
正弁丹吾亭「しょうべんたんごてい」と読みます。

関東煮のお店です。
関東煮とは関東でいう「おでん」です。

法善寺横丁を訪ねたときは何気なく写真を撮っておいたお店が、小説に出てきたのでちょっと嬉しいです。
こんな些細の喜びも旅の楽しみの一つです。

「行き暮れて ここが思案の 善哉かな」作之助
いろいろあったけど ここらでお互いの悩みも 止しにしよう・・・・・
という意味だと思います。
大阪名物、自由軒のカレーも登場
小説『夫婦善哉』には自由軒のカレーの話も出てきます。
このお店は今でも行列ができる有名店ですので知っている方も多いと思います。

「和食のさと」の発祥も法善寺横丁にあった!
夫婦善哉とともに法善寺横丁で有名なのが「♪包丁一本 さらしに巻いて 旅へ出るの~も 板場の修行」で始まる、昭和歌謡の代表「月の法善寺横丁」です。

月の法善寺横丁がヒットする少し前に8坪の小さな寿司屋がこの地に誕生したそうです。
小さいなが大繁盛したそうです。
「なあ大将。お前とこ安うて旨いけど、並ばなあかんのが玉に傷やなぁ」
「すんまへん、そのうち大きしますんで待っとおくれやす」
数十年後、この言葉が現実となります。
それが各地でチェーン展開して「和食さと」なのだそうです。
法善寺横丁のパワーってすごくないですか?
藤山寛美書の法善寺横丁の看板
昭和の上方喜劇俳優の代表といえば藤山寛美です。
法善寺横丁の看板はその藤山寛美の書によるものです。

で、看板の文字をよく見ると「善」の字の横棒が一本足りません。
なぜ?でしょう。

「わしはそない善い人間やないさかいに」ということで字を1本ぬいて書いたという話があるそうです。
法善寺横丁水掛不動尊のご利益
法善寺横丁は小さな路地なのですが後世に残るものを生み出しています。
水掛不動尊のパワーなのかもしれません。

法善寺の水掛不動尊のご利益にあやかろうと水をかけました。
名作『夫婦善哉』に出会えて感動できたし、水掛不動尊のご利益は確実にあります。
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