風に吹かれて京都東福寺へ行ってきました。
東福寺 臥雲橋
東福寺は橋からながめられる紅葉の絶景が有名です。
橋といっても、下の写真でわかるように木造で屋根がある文化財的なものです。
紅葉の時期だけあってかなりの混雑具合で警備員さんの居場所すらないくらいです。
東福寺には2年前の夏に訪れたことがあります。
その時は下の写真のような感じでした。
では紅葉の時期はどうかというと、これです。
大勢の観光客はどんな景色を見ているのでしょうか?
こんな、景色です。
素晴らしい!
向こうに見える橋は通天橋といいます。
夏に同じ場所から撮った写真があります。
夏の緑もいいのですが誰もいません。
ゴッタ返した観光客みていた向こう橋から自分たちがたっている臥雲橋をみると下の写真のような景色です。
この景色も素晴らしい!
さすが紅葉の名所、人が集まるわけです。
臥雲橋を渡り終えると「ザ・京都」といった塀と紅葉の道が続きます。
静寂そうの思えますがカメラを構えている後ろを大勢の人がゾロゾロと歩いています。
東福寺開山堂の景色は紅葉時期だけじゃない!
東福寺は京都五山の一つでとても巨大な寺院です。
奈良でもっとも大きい東大寺と隆盛をきわめていた興福寺の文字をとって京都に建てたのが東福寺なのだそうです。
今までみてきた臥竜橋などは拝観料がかかりません。
さて、いよいよ拝観料を払って通天橋の方から開山堂までの紅葉を楽しみたいと思います。
や~すごい混雑ぶりです。
紅葉をバックに記念写真を撮る人が多くてイライラします。
いけません、写真ばかり撮っている自分も他人からみるとイライラの原因なのでしょうから。
芋洗い状態の通路から目を移すと、別世界があります。
ただ東福寺では落葉の数より人間の数が上回っていると思います、、、絶対。
少し緑も残っていますが落葉が地面を覆っています。
多少角度は違いますが2年前の夏にもこの場所を撮影していました。
夏もステキです。
意識したわけではないのに、また同じ地点で撮るののですからこの場所に何かを感じるのだと思います。
紅葉の向こうに大伽藍が並んでいます。
夏の景色は下の写真のとおりです。
結局、夏の景色も秋の景色も素晴らしいです。
こうなると春も訪ねてみたくなります。
東福寺 重森三玲の庭で哲学にふける
東福寺には有名な庭があります。
庭園好きならどうしても一度は見ておきたい有名な庭がここにあります。
国指定名勝になっている重森三玲の庭です。
重森三玲は昭和初期に活躍した作庭家で日本の伝統的な庭の復元に尽力しました。
それに加え哲学的な思想を込めたモダンな庭を生み出した人なのです。
さあ、その庭を見に参りましょう。
入場前に立派な唐門が目に入りましたので撮影しておきました。
そして入場するとこの唐門が重森三玲の庭の中心であることがわかりました。
庭の左側は深山幽谷を模した巨石が並びます。
とても大胆な並びで写真ではちょっと不自然な感じですが実際に見ると違和感ありません。
さっきの唐門を中心に目を右側に移します。
巨石が並んでいたの情景とはまったく違う、おだやかな丘陵のような島景色です。
川の上流から下流の自然を表しているんでしょうか?それともだんだんと角が取れてくる人生というものを表してんでしょうか?
庭の全体はこんな感じです。
腰をかけてゆっくり庭をながめています。
下の写真の庭も何かを語っているのでしょう?
「人生は穏やかな中にも時としてとんでもない事が起きる」
みたいなことを表現しているじゃなかろかと福左右衛門は考えました。
ですが、帰ってきてから調べると北斗七星をあらわしているとのこと。
まっ、どう感じようがその人の感性ですから勝手ですよね。
次の庭も面白いです。
波のような曲線をえがいた苔の部分と規則的な四角が並んでいます。
福左右衛門は何か会社の中の人間関係のように見えました。
物事を情緒的に考える人間、数字がすべてだ!と考える人間、その中間で三角な人。
皆さんの会社はどんなもんでしょう?
庭の写真がのったカレンダーなどによく登場する重森三玲の代表作。
石と苔の市松模様の庭です。
なんで、この庭が有名なんだ?と思うかもしれません。
さっき庭に哲学的要素を取り入れた、と書きました。
左側は規則的な市松模様。
右側にいくにしたがって石が少なくなって規則性がくずれてきます。
とうとう最後はポツンポツンとしか石がありません。
まさに宇宙です。
ビッグバン宇宙です。
そんな哲学的思索にふけりながら足をすすると「現実」が目の前あらわれてきました。
紅葉見物の観光客の渦です。
東福寺の大伽藍は日本最大級
東福寺の本堂と山門はとにかく巨大です。
本堂の中には入れないのですが格子戸から天井をのぞくと下の写真のような素晴らしい龍の絵が拝めます。
屋根側には東福寺の文字が入っています。
瓦の円形と円形を結ぶ部分にも何か文字は書いてあります。
よ~くみると、右から慧日山と書かれています。
慧日山とは東福寺の山号です。
どこまでも手を抜いていません。
鬼瓦も堂々とした面構え(失礼)で大字な建物を守っています。
本堂と同じくらい巨大な山門。
反り上がった庇は官能的ですらあります。
最後に自然の美と人間がつくった造形美を対比しておわりにします。
長らくおつきあいいただきましてありがとうございました。