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福左右衛門の修学旅行 第二日目

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福左右衛門の修学旅行も二日目となりました。きままな旅も夫婦喧嘩もせず順調に行程を進めています。

二日目(2015.8.29)

現代だから庶民でも壮観な仏像を見られるんじゃないだろうか

さて、奈良に行く前にちょっと立ち寄ってみようと四条烏丸から市営バスに乗って東寺へ向かいました。

地味な印象のお寺ですが、ガイドブックなどによると「すごいぞ」みたいなことが書いてあったのでつい足が向けてしまいました。

東寺

東福寺東門 敷地内に学校があるよで制服を着た学生さんと一緒に門をくぐった

 

妻と一緒に建物脇の扉から大きな敷居をまたいで金堂内部に入ると、そこはひんやりした荘厳な空気に包まれていたので、二人は急いで話し声のボリュームを急いで絞りました。

「わ~すごい」「圧倒される~」とお互いボリュームを絞った声を発して感動しました。

仏像群の真正面に立って、薬師如来と目を合わせと更に落ち着いてきます。しばらく見入ってから建物内部全体を見渡し仏像群を一つ一つ見つめます。

「現代だからこんな立派な仏像を信心深くもない人間(私たち)がこうやって近くで見ることができるんだろうな。昔なら僧侶か位の高い一部の人しか見られなかったんだろうな」

と隣の妻に話しかると

「そうね、そう思うよ」

と、めずらしくこの時は同意の返事が返ってきたのでした。

東寺 金堂 1

出典 http://ifiamforeigntravelerjapan.com/kyoto-toji/

 

東寺 金堂 2

出典 http://ifiamforeigntravelerjapan.com/kyoto-toji/

 

いよいよ奈良へ

京都から奈良へ近鉄特急で約40分、快適な乗り心地で移動できました。

奈良といえば鹿ですね。「せんべい持ってないから、そんなたくさんに集まって来なくていいよ」というくらい鹿が集まってきて困ったり、その数に驚いたりと、なかなか興福寺へ進めません。

奈良公園の鹿

奈良の鹿はカメラなれしているのでポーズをつけます

 

芸術の真髄をおしえられた興福寺

近鉄奈良駅を降り鹿をかき分け阿修羅像のある興福寺を目指しました。

東金堂と五重塔はすばらしいのですが、東寺を見てきたあとなのでスケールが足りないかなという感じです。

なので、混んでもいましたし国宝館へ移動することにしました。

興福寺

興福寺東金堂と五重塔

 

どうしても見たかった阿修羅像のある国宝館へ着きました。

管内は息を呑むような仏像群が並び、一つひとつ対峙していたら、阿修羅像に辿り着くまで相当な時間を用してしまいました。

阿修羅像と並ぶ7体の仏像も息が出ないほどの美しさと神秘さを持っているのですが、ここでは目的でもあった阿修羅像をじっと見つめることにしました。

不思議です。

ずっと顔を見続けると涙が出てきてしまうのです。まさか、おじさんが国宝館の中で涙をこぼすわけにもいかず、こらえました。大きく息をすってこらえました。

遠い空間を見る目は思いを果たせなかった無念さのようなものを、見ている人に訴えかけてきます。

どういうわけかその無念さのようなものを直に感じて、涙出てきてしまうのです。

阿修羅像が見ているのは景色という現実ではなくて、人間の情念を見つめているのです。

でなければ1300年という時を経て、なおも人の心を魅了できなはずがありません。こんなおじさんの目に涙を溢れさせるなんて、これを彫ったひとすごすぎです。

いまの時代は、お金を稼ぐ方法を編み出し評価されが、せっかく編み出した方法も1年もたてば忘れ去られます。更に新しい方法を編み出した人間がまた一瞬の間評価される、これが今の私達の仕事です。

しかし、この像を彫った人の仕事というと、1300年たって忘れ去られるどころか、更に人をひきつけ、感動を与えくれます。

時間を超えて未来に価値をもつ、これこそが芸術なんだと思い知らされました。

国宝館を出て、阿修羅像の前では涙が出てきてしまったんだ、と妻に話すと

「私もなの」

と返事が返ってきたので

「まさか、そんな感性もってたんだ?」

と口をすべらすと、鹿よろしく妻の頭から角が生えてしまったのでした 😉

興福寺阿修羅像

阿修羅像   小学館 日本美術全集奈良時代Ⅱ(2013発行)から

 

二日目の昼食

興福寺の芸術の余韻と突き出してしまった妻の角を収める努力をしながら昼食場所をさがします。

春日大社の一の鳥居のところから見て奥まったところにレストランを発見「ここでいいっか?」と近づいていくと以外に高級そうです。もうこれ以上歩けないし、お店の方も私達が近づいてくるの見てドアを開けて待っているので逃げ出せない状況です。

そこは「レストラン菊水楼」老舗旅館の一角にありとても落ち着いた雰囲気です。

「優雅に昼食をとっているお客さんの間をリュックサックを背負って汗をカキカキ奥へ進むのはちょっと申し訳ない感じのレストランです。

椅子を引いてもらい腰掛けて、「ふぅーっ」と溜息をつきながら窓の外を見ると目の前は池、その向こうに奈良ホテルの屋根が見えるといった「奈良へ来たぞ」といったロケーションです。

奈良県奈良市高畑町1130番地

 

一番リーズナブルなパスタランチ(1200円)、この日は「鯵とウイキョウのパスタ」「万願寺唐辛子のパスタ」の二種類があり、妻とそれぞれ一品づつ注文しました。

喉が乾いていたのグラスの水を飲み干すとすぐに気づいて優しい笑顔で水を注いでくれるウェイトレスさん。それだけで旅の疲れを癒してくれますホッ。

妻の角もすっかり引込み、和やかに話をしていると、サラダが出てきました。次にかぼちゃの冷製スープとパンと続いて出てきた時に「これで1200円?」「何か裏がある?」「メニュー料金にただし書きを見落とした?」いろんな疑問がわいてきました。

この疑問を言葉にして妻に言うと、同感の返事です。

菊水楼レストラン

前菜のサラダ。お料理の写真をたくさん載せるとくどくなるので一品にしておきます。

 

メインのスパゲッティが出てきた時には「本当にメニューの値段(1200円)ですか?安すぎませんか?」と聞いてみました。

「よく、他のお客様からもそのようなご質問をお受けいたしますが、メニューのお値段でご提供させていただいております」

とウエイトレスさんがチャーミングな笑顔で答えてくれました。ホッ。

茹で加減、味のバランスも良好なスパゲッティをたいらげ、大満足の昼食でした。

もう少しこの場所とこの時間を味わいたいので、コーヒーを注文することにしました。

「どちらからみえられたのですか?」

と先ほどのウエイトレスさんから聞かれ、「東京です。でも田舎なんですけど」と答えました。

「私は横浜出身ですが大学が奈良だったもので」

「じゃ、卒業してここにお勤めに?」

「そうです。奈良がとても気に入ってしまって」

「そーなんですか」

あまり話し込んでは仕事のじゃまですし、話し好きでしつこいおじさんにならないよう止めました。

教育されて接客をつとめているという感をまったく受けない、でもしっかりした応対を自然としてくれるとても感じの良い娘(失礼、良い方)でした。

こういった、人とのちょっとしたふれあいが旅の魅力ですな。

 

東大寺大仏殿へ

中学校の修学旅行以来です。

東大寺南大門の周りにも鹿が多くいて、ちょっていすぎかなと感じながら門をくぐって進みました。

「でかい!」「木造でこれまでのものができるんだ!」という感じ。

東大寺大仏殿

東大寺大仏殿

 

大仏殿の中は人、人、人の渦で中国語、英語、スペイン語とあらゆる国の言葉が高い大仏殿の天井まで響き渡っています。

「いろいろな国の言葉を一日中聞いる大仏様は、きっとバイリンガルになれるな」

というおやじギャグも妻にはまったく受けず、大仏様の賽銭箱へたどり着きました。

大仏様を拝み見上げると「でかい!」「1,300年前によくぞ造ったな!」とここでもそのスケールに驚いてしまいました。

 

東大寺大仏

バイリンガルな大仏様

 

世界の言語の渦から逃れるように外へ出て、再び大仏殿を見上げました。

庇(ひさし)の長いこと、10メートルくらは出てそうです。

「この庇すごいなー」

「何が?」と妻

「いや、あの庇10メートは出てるぞ。その上に重い瓦が何枚も乗っている。それを支えてる。すごいと思わない?」

「それが、どうしたの?」

どうも感動する内容が違うらしい。まっ今始まったことじゃないし、私の視点はずれていると言われているので気にしません。

そんなこんなで大仏殿を背に二人は先を急ぐのでした。

 

大仏殿のひさし

大仏殿の庇

 

東大寺二月堂、三月堂と廻ろうかとおもったのですが、今夜の宿泊場所は奈良市内から少し離れた橿原(かしはら)なもので駅へ向かうことにしました。

観光客の団体から離れ、大仏殿の裏の道を通って駅に向かいうと、素敵な塀に囲まれた路地がありました。

IMG_2745

東大寺近く裏路地

 

民家の門は初めて目にする凝ったものです。奈良では一般的なのでしょうか?とても趣があります。

「急がないと宿へ着くのが遅くなっちゃう」

と片袖引っ張られながら奈良駅へむかいました。

 

東大寺裏道の個人のお宅

東大寺裏の個人宅の門

 

近鉄の急行で大和八木駅をめざします。

 

宿泊の橿原市へ

なぜ宿泊場所を橿原市の大和八木にしたかというと、安かったからです。

橿原市では地域振興補助金で観光客に5000円の補助を出しています。奈良からもまあまあ近いし、こんな制度も無ければ橿原には縁がなかったろうしということで決めました。

なんと部屋に案内されると、びっくり、10畳床の間付きで一人3000円、もちろん補助金があってですけど。

河合旅館

ビジネス観光ホテル河合

 

夕食は大和八木駅近くの居酒屋で一人4,000円の支出となり、少しは地域振興のお手伝いができたかなという感じです。

以上、二日目の修学旅行も幕が閉じました。





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