風に吹かれて京都大原三千院に行ってきました。
いくつかの写真とともに緑の織りなす苔庭園の魅力をお伝えいたします。
三千院門跡の「門跡(もんぜき)」って何?
皇室や公家の人が出家して住職を務める寺院のことを門跡と呼びます。
したがって三千院は格式の高いお寺になります。
青蓮院、妙法院とともに天台三門跡の一つです。
「梶井」とあるのは別名で、かつてはそう呼ばれていた時もあったそうです。
恋に疲れた女の小径とは対象的な三千院の門
バス停からお土産屋さんの並ぶ緩やかな坂道を登っていくと三千院に通じます。
その道端には「大原女の小径」の立て札があちこちに。
年齢のいったかたは誰もが知っている「♪きょぉ~と~ おおはら三千院 恋につかれた女が ひとり~」からの命名だと思います。
この歌詞から、三千院には優美で女性的な印象イメージをいだきます。
しかし、下の写真を見てください。
大原三千院の門はとっても男性的です。
寺院の門というよりも城郭、お城のような鉄壁の守りをした造りです。
皇室や公家ゆかりのお寺なので守りの固い造りになっているのでしょうか。
「女の小径」の立て札を見ながら、さぞ優美な姿をしているのだろうと想像しながら着いた三千院が想像とはかなり違いました。
こういったギャップが旅の楽しみの一つでもあります。
三千院聚碧園は緑あふれる築山と水が見事
大原三千院は苔の庭が有名ですが、そことは別に池を配したとても美しい庭があります。
江戸時代の茶人金森宗和が造った聚碧園です。
築山と池がとても魅力的な庭園です。
手水鉢への水の流れの涼をよぶ姿は、これだけで何時間でも過ごせそうです。
建物内は撮影禁止なので外周ばかりの紹介になりますことをお許しください。
客殿でゆっくり過ごす観光客もこの庭園の癒やしに酔っています。
池の光に浮かび上がった紅葉の葉も自然の美そのものです。
紅葉の葉も秋には違った姿を披露してくれることでしょう。
有清園は苔の広がりによって大海原を表現
築山が美しい聚碧園を見たあとは宸殿へと拝観ルートは続きます。
宸殿とは門跡寺院にある特別な建物です。
樹木に隠れ建物の全体像がみにくいですが、これが宸殿です。
宸殿からみた庭、有清園の景色です。
苔の大海原を見ていると時間の感覚が遠のいていきます。
地面を覆い尽くす苔は魔法をつかって造ったのではないかと思うような心を魅了する庭園です。
通路を行けば苔のジュータンに木漏れ日が射し込んだ幻想的な場を体現できます。
美は細部に宿る 三千院の苔の美しい理由
「美は細部に宿る」と言います。
英語の原文からはすると「神は細部に宿る」が本当らしいですが。
何を言いたいか?下の写真を見ていただけると、おわかりだと思います。
全体も美しいですが、クローズアップした苔も実に見事な美しさです。
苔庭の美しさの理由は細部の美しさから発しているのです。
細部も美しい、もちろん全景も美しい!
苔に称賛”お見事”
都会生活ではコンクリートについた苔は厄介者です。
しかし、わらべ地蔵についた苔、味わいがあります。
石組みされた石段のの苔もこんなに美的です。
同じ苔でも都会とは正反対です。不思議です!?
何度でも振り返りたくなる苔の庭
三千院はどこも美しいですが、有清園の苔庭がおすすめです。
正門を出て振り返った景色が下の写真です。
まだまだ見ていたかったー!名残惜しい。