こんにちは風が福左右衛門です。
紅葉の奥多摩町大丹波にやってまいりました。
この平和な山里に令和の重要問題を考える石碑があるので紹介します。
その石碑は、宝暦箱訴事件と呼ばれる歴史的な出来事に関係しています。
この地はもともと徳川の直接の領地(天領)でしたが途中から田安家がおさめるようになりました。
田安家は数十年の間に数度の増税をおこない、天領であった以前より倍以上の年貢を要求するに至りました。
その間農民たちは、代官、郡奉行、家老へと訴え続けましたが聞き入れてもらえませんでした。
とうとう近隣19ヶ村の代表とともに将軍への直接訴え、箱訴を実行したのです。
領民の不満が将軍に直接訴えられというのは田安家にとってはとんでもない大失態です。
田安家は青梅村に牢屋を設けて11ヶ月にわたり厳しい取り調べを行いました。
その劣悪な環境で大丹波村を代表した名主、百姓3名が牢獄死したのです。
その3人の義を称えるために建てられたのがこの石碑なのです。
牢死を知った村人はすぐに自然石の碑を建て、その義を称えました。
村人たちの行動にも胸を締め付けられます。
所得税と社会保険料など国民負担率が5割に迫るほど高くなっている今、この石碑を前にすると感慨深いものがあります。
令和の時代に生きる私たちへのメッセージがこの静かな山里にありました。