八王子 東京富士美術館 ザ・刀剣
勤務先近くに「東京富士美術館」があります。
ちょっと気になった展示をしてたので、半日休暇をいただき行ってきました。
その名も「ザ・刀剣」。
かなりストレートなタイトルです。
鉄は宇宙の中で一番安定した元素
「風が福左右衛門」だから刀が好きなんだな、とお思いでしょう。
まあ刀も興味ありですけど、正確には「鉄」が好きです。
なぜ、鉄がすきかって?
鉄は宇宙の物質の中心だからです。
元素の周期表ってありますね。
鉄より小さいもの核反応は「核融合」と呼び、大きいものは「核分裂」といいます。
分岐点の元素が鉄なのです。
太陽は鉄より小さい水素が主ですから核融合です。
原子炉燃料のウラン周期表では鉄よりずっと後ですから核分裂です。
いろいろな元素は融合したり、分裂したりしたら鉄になろうとします。
元素の中で一番安定た構造をしているのが鉄です。
そんな事を知った日から鉄に興味があるんです。
あと、私たち体の中にも鉄分は必要です。
血をなめると鉄の味がしますね。
鉄について科学的に興味がある方は別にお調べください。
美術館での撮影は「折り紙付き」!?
はい、では「ザ・刀剣」の内容に移りましょう。
博物館ロビーに入ると正面に受付の女性が愛想よく迎えてくれていました。
「館内で撮影していいモノはありますか?」
と聞くと
「ハイ、当館は基本的に撮影自由となっております。撮影禁止のマークがつあるものについてはご遠慮いただいております」
という返事が返ってきました。
ということで撮影について「折り紙付き」となったわけです。
日本刀から生まれた言葉
はい、この「折り紙付き」という言葉、日本刀から来ているのです。
今回の展覧会で仕入れた知識をいくつか披露しちゃいます。
「折り紙付き」
折り紙とは千羽鶴などをおる折り紙とは違います。
名工が打った本物の刀であることを書いた紙が二つ折りないし三つ折だったことから、この紙を「折り紙」と呼んでいました。
だから間違いない本物だという場合「折り紙付き」と言うのだそうです。
ついでに、その折り紙は墨で書かれていたので「お墨付き」とも言うそうで、両者ほとんど同じ意味です。
「焼きを入れる」
日本刀は刃に泥を乗せ熱い炎の中に入れ真っ赤になった刀身を水に入れいっきに冷やします。
この工程を「焼きを入れる」といいます。
だらけた生活をしている者に活を入れてしゃんとさせることの意味に使われるようになったのだそうです。
ちかごろはリンチのことを指したりするので、ちょっと意味が違ってきてしまっています。
「とんちんかん」
刀鍛冶は師匠がひざまずいて刀を扱い、弟子二人が大きな槌(ハンマー)で交互に打ち下ろします。
この三人が息を合わせて刀を叩くとトン・テン・カンという音をだします。
息が合わず一人が打つ場所を外してしまうとトン・チン・カンというちぐはぐな音になってしまいます。
つじつまが合わないことを「とんちんかん」というようになったそうです。
「相槌を打つ」
相手の槌の調子に合わせて軽快に鍛冶をすることです。
それが、調子に合わせて受け答えをする意味です。
とんちんかんとは逆で息があった状態のことです。
「切羽詰まる」
刀の鍔を押さえるものに切羽という部品があります。
このおかげで刀身と鍔と柄がしっかりします。
しっかりしまって身動きができない状態です。
このことから窮地に追い込まれ身動きできない状態を「切羽詰まる」と言うようになったそうです。
「目抜き通り」
「目抜き通り」の「目抜き」はもともと「目貫」だったそうです。
目貫は刀の柄(手で握るところ)に太い糸で巻いた下にある飾りで、最も目を引く中央部分に飾られています。
そこから人のよく集る目立つ通りを「目抜き通り」と呼ぶようになったのです。
以上 調書一郎『刀と日本語(里文出版)』より
怖いけど美しい日本刀
刀は怖いですか?
怖いですね。
でも、美しいと思ってしまうのです。
日本刀は鉄の芸術、鉄の最高峰です。
宇宙の中で最も安定して元素が鉄であり、その鉄の最高峰が日本刀。
「怖いけど美しい」理由はここにあると思います。
「ザ・刀剣」に足を運んでそのことを再認識したのです。
日本刀について知らなかったことまだあります
刀と太刀
今回の展示で沢山の知識を仕入れてきました。
下の写真で刀の展示方法にご注目ください。
そう、刃を上に向けたものと刃を下に向けて展示したものとがあります。
さて、なぜでしょう?
刃が上を向いて展示されているのが刀です。
刃が下向きなのは太刀です。
刀は刃を上に向けた状態でサヤにいれ腰につけます。
太刀は逆です。
下の写真2枚にあるような状態でそれぞれ腰につけます。
刃紋
刃紋はどうしてできる?
刀鍛冶の最後の段階で焼き入れをして刃の部分を固くします。
全体が硬いと折れやすくなるので多少柔らかい部分を残すのです。
焼き焼入れ前に土置きといって泥を塗りますが、その際刃の部分は薄くそれ以外は厚く土をのせるのですがそのとき波打った模様を作るのです。
刃紋は自然に出来たのではなくて意識して作っているものだったのです。
その他各種展示品
「真田丸」のコーナーや甲冑の展示など盛りだくさんです。
下の写真は何でしょう?
兜です。
ヘルメット。
いや~洒落っ気、満天です。
東京富士美術館その他展示物
常設の展示室を抜けて特別展「ザ・刀剣」の展示室にたどり着くわけですが価値あるんだろうな、というものがあったので紹介しておきます。
下の写真誰、誰かわかりますか?
ナポレオンです。
と、いうわけで東京富士美術館にはいりりろな絵もかかっています。
無料ラウンジ
とても明るいラウンジで紙コップのコーヒーが無料でいただけます。
ラウンジから荘厳な建物がみえます。
東京富士美術館ではありません。
創価学会の「牧口記念会館」です。
下の写真が東京富士美術館のエントランス付近で、建物は牧口記念会館と比べるととてもシンプルです。
以上で終わりです。
長い間おつきあいありがとうございました。